夏の行事の1つ、「灯籠流し」
毎年実施している地域もあり、
お住まいの地域で必ずやっていて身近な行事、という方も多いかと思います。
一方、ただ地域によっては近くに川がないことで、そこまで身近な行事ではない方もいると思います。
私も生まれ育った地域では、灯籠流しをしているところは見たことがないので、そんなに馴染みがありません。
最近ではいろんな地域で灯籠流しを見かけるようになったので、参加してみたいなと思う方もいるかと思います。
私も年を重ねるにつれて、故人を想い、偲びたいという機会も増え、灯籠流しに参加しました。
そこで、灯籠流しに参加する前に、改めて「灯籠流し」についておさらいをしておきましょう。
そもそも灯籠とは?から灯籠流しの始まり、灯籠にはどんな言葉を書けばいいのかを紹介していきます。
灯籠と灯籠流しの意味と始まり
灯籠とは・・・
そもそも灯籠とは、主に外で使用された日本の伝統的な照明の一種で、昔は街頭として使われていました。
明かりの火が風で消えないように、周囲を石や木、金属などで囲いをしているものが一般的で、
よくお寺や神社の境内に置かれているので、見たことがあると思います。
(こちら↓↓↓)
ちなみに、灯籠流しの灯籠は流石に石や金属でできているものは使いません。
(石や金属はそもそも水に流れないですしね)
灯籠流しに使う灯籠は、主に木材や紙で作られた小さな灯籠を使い、川に流しています。
灯籠流しとは・・・
灯籠流しとは、故人の魂を弔うために、灯籠やお盆の供えものなどを川や海に流す日本の行事となります。
始まりは、戦後、広島で原爆で亡くなった方々の供養のため、手作りの灯籠を川に流したのが始まりと言われています。
それが今では全国に広まり、亡くなられた方々を想い、弔う行事となりました。
よく送り火や精霊流しと一緒に考えてしまいがちですが、
送り火や精霊流しは昔からあり、仏教行事となるのに対し、
灯籠流しは宗教に関係なく、行われています。
宗教の関係なく誰でも参加できる行事ということで
そんなに気構えず、しきたりなどは気にしなくてもよいのは参加しやすいですよね。
灯籠流しの灯籠には何を書けばいいの?願い事を書いてもいいの?
灯籠流しでは、「灯籠に言葉を書き込み、流す」と聞いたことがあると思います。
(必ず書かなければならないというものでもなく、何も書かずに流しても特に問題はありません。)
いきなり言われても、何を書いたらいいんだろう?と考えてしまいますよね。
灯籠流しは戦後、広島で亡くなった方々の供養のために始まったと言われており、
当初は亡くなられた方の名前を書いていました。
ただ、最近では平和への祈りや願いを書く方も増えています。
行事も故人を弔うことと同時に平和を祈る行事としても行われています。
なので、灯籠に書く言葉は、
①故人の名前や、故人への感謝の言葉
②平和を祈る言葉
こちらが適切だと思います。
あとは、家族や周りの安全の言葉でももちろん大丈夫です。
灯籠流しには厳格な決まり事はありません。
ご先祖様や亡くなられた方々、平和を祈ることを忘れずにいれば、それだけで良いと思います。
灯篭と灯籠の違いってある?なぜ漢字が違う?
ちなみに、
「とうろう」の漢字が2つありますよね。
灯籠 と 灯篭
何が違うんだろう?どちらが正解なのだろう?と私は不思議に思っていたので調べてみました。
調べた結果、基本的には意味も同じ、どちらを使っても問題はありません。
漢字を調べてみると、
「籠」の方が旧字体、「篭」が新字体ということが分かりました。
新字体とは、「古くから使われていた形を改めて、新たに用いられるようになった字体」のことです。
例えば、『学』は『學』の新字体、『灯』は『燈』の新字体となります。
意味は同じで、新たに用いられるようになった漢字のことなんです。
基本的には私たちは新字体を多く使っていますが、
新字体がそこまで定着していないものに限って例外があり、それが「籠/篭」です。
そのため、PCでもすぐに変換されますし、どちらを使っても間違えではありません。
時代に変化して変わっていく言葉や漢字って面白いですよね。
まとめ
灯篭流しに参加する前に、少しは参考になりましたでしょうか。
何も知らないで参加するのと、
物事の始まりや意味などを知ってから参加するのではだいぶ違ってきますよね。
灯籠流しは、宗教の関係なく、故人を弔い、平和を祈る行事となります。
今年の夏は灯籠流しに参加してみませんか?